身体能力を数字で示す。例えば、視力は? IQは?
自分の能力を数字で示すことができるって、便利ですね。
よく使う数値には、どんなものがあるでしょうか?
知能指数IQ
視力
肺活量
握力 などなど、、、
日本人は、「自分の視力が1.5だ」、「私は0.3だ~」って日常会話で話題にしますね。
1.5はとても視力が良いこと、0.3は視力が低下していることを理解して話しています。
これって、身体の能力の一つである視力を、だれもが当然のごとく共通の理解としているわけです。
知能指数も、IQ150!!! すごい~~とか。
馴染みのある検査の数値を誰もが日常のなかで普通に使っているのを見ると、腎臓医である私は、とてもうらやましく思います。
それに比べて、我が腎臓の大事な指標「eGFR」は、まだ市民権を得ていないからです。
眼科医が患者さんに、視力とは何かを説明しなくても、「あなたの視力は0.2ですから」と話を始めることができます。
しかし、腎臓については、eGFRって何? から始めなくてはなりません。
腎臓の能力を示す指標eGFRも、国民の誰もが「私はeGFRが90もあるから大丈夫だ」、「私は60になってきたから気をつけなきゃ~」って日常会話で普通に話せる時代がが来てほしいものです。
eGFRによって、腎臓の病気は5段階に分かれている。
ですが、アプリ「腎臓ノート」活用法①でもお話ししたように、eGFRは学力テストの点数みたいに理解すれば良いものなので、実はとても便利なものです。
さらに、腎臓の働きが徐々に低下する病気の程度を簡単に説明するために、eGFRを基準にして、病気の進行度は、5段階に分けられています。
下の図を見てください。これは、世界中で使われている慢性腎臓病のステージ分類です。
eGFRの「e」が省略されていますが、90以上をG1、90未満をG2、60未満をG3、30未満をG4、15未満をG5と分類されています。
進行度とともに、尿蛋白が多いと、重症とみなされ表の右側に分類されます。尿蛋白がない場合はA1、軽度の場合はA2、大量に認める場合はA3になります。
下になればなるほど、右になればなるほど、赤色(将来、病気がさらに進む恐れが強いことを示します)になっています。
この表は、自分の腎臓が今どれくらい重症で、将来さらに悪化しやすいのかを知るうえで参考になるものです。
腎臓の病気は、このステージをいかに維持し、これ以上悪化させす進行を遅らせるかが大事なポイントなのです。
皆さんは、自分の腎臓は、どれくらいの位置にあるか、把握できましたでしょうか?
アプリ活用法③では、eGFRの推移について、さらに勉強しましょう。
今日はここまでです。どうかお大事にしてください。