住民運動に必要なものは、強い意志と団結、そして、誇り

芦浜住民運動から学ぶ

ここは野村医院のサイトですから、医療情報、院長ブログ、医院の診療方針などを紹介するのが本来の役割です。
しかし、故郷山添村に60歳になって戻ってきた私は、2019年後半に明らかになった馬尻山のメガソーラー開発計画が、あまりにも環境への影響が大きいために、自然豊な故郷の行く末に強く不安を抱いています。
人々の健康にも大きな影響を及ぼす可能性もありますから、医師として無関心ではおれません。
そのような事情から、野村医院のサイトに、馬尻山への想いや、関連する新聞記事や、関連情報を「馬尻山の環境を憂う」というブログ記事としてアップしていくことにしますので、どうかご了承ください。

山添村の講演会に柴原洋一先生を招待した私の気持ち

2019年12月15日に私は、下記のような「馬尻山のメガソーラー開発を検証する会」を開催しました。
現在住民運動を展開している「馬尻山のメガソーラーを反対する会」が結成される前に準備を始めたから、チラシにはその名前はありません。

講師には、芦浜原発計画を白紙撤回された住民運動の歴史に詳しい柴原洋一先生(上記写真)と、メガソーラーや風力発電の環境汚染を訴えていらっしゃる活動家の武田恵世先生をお招きしました。
◆柴原先生は、住民運動に必要なものは、「住民と議会と行政が一枚岩」のような団結、とくに住民の団結、強い意志だと説いて下さり、これからメガソーラー開発に反対していく私達を励ましてくださいました。
◆武田先生は、メガソーラーが実はクリーンなものではないこと、災害や環境汚染を起こす可能性が強いものであることを解説し、我々の反対運動を支援してくださいました(その講演内容は、動画としてこのブログにて公開しております、最下段のリンク参照)。

なぜ、芦浜原発と山添村馬尻山のメガソーラー反対運動が関係あるのか、怪訝に思っていらっしゃる方もあろうかと思うので、講師を勤めてくださった柴原洋一先生方が主宰されている「はまなつめ」第60号に投稿した私の寄稿文を、下記に紹介させていただきます。
長い文章ですが、読んでもらえるとその意図がご理解いただけるはずです(この寄稿文は、馬尻山のメガソーラーに反対する会の副代表として書かせていただきました)。
12月15日講演会のチラシ

はまなつめ(60号)への寄稿文全文

=山添村からの挨拶= 

令和元年12月15日に奈良県山添村において「馬尻山メガソーラー開発を検証する会」を主催した野村信介と申します。「原発おことわり三重の会」の柴原洋一さんには、『芦浜原発の開発を止めた町に学ぶ ー私達が目指すものー』と題した講演を賜りました。原発を止めた南島町の方々の素晴らしいお話に感激し、招聘した私は本当に嬉しくありがたい気持ちでいっぱいです。改めて御礼を申し上げます。

山添村の大事な水源地である馬尻山(うまじりやま)に大規模太陽光発電(メガソーラー)開発計画が持ち上がり、住民に不安が広がりました。私は、馬尻山から流れる稲荷川下流にある大西区の区長をしておりましたので、地区の皆さんと一緒に即座に反対の意向を表明しました。馬尻山の環境破壊によって、下流の我々が最も影響を受ける可能性が高いからです。

私が生まれ育った大西区は三十戸にも満たない小さな地区。何十世代にもわたって稲荷川の水を使って稲作を続けてきました。竹馬の友というべき仲間が次々と定年を迎えても、先祖代々の稲田で大事に農業を営んでいるのを見ると、農家でない私でさえ、反対運動に迷いはありませんでした。馬尻山に土地を持たない大西地区は、そこに田畑や山地を有する他地区の人々にメガソーラーの実態を知っていただき、反対の機運を山添村全体に広げていく必要がありました。

ここまで読んでくださった皆様は、メガソーラー反対運動と芦浜原発となんの関係があるの?と怪訝に思われるに違いありません。

二十年にわたって三重県で医療にかかわっていた私は、三重県民の「原子力発電」「原発事故」に対する考え方や態度が、故郷の奈良県民と何となく異なっていると、以前から感じていました。特に、東日本大震災の原発事故に対して、職場の同僚や患者さんや病院職員が示す態度・言動には、なにか違うものがありました。原発事故に対する辛い感情は、日本人の誰もが持つわけですが、それでも何か違うものがあるのです。

恥ずかしながら、東日本大震災まで、私は芦浜原発やその計画が白紙撤回されていたことを、知りませんでした。「紀伊半島に原発がないのは、伊勢神宮があるからだ」くらいの軽薄な持論でした。

しかし、東日本大震災の後、三重県全体を巻き込んだ芦浜住民運動の歴史を徐々に知るようになりました。おそらく、これを「誇り」にしている人から、私はさまざまな影響を受け、感じ取っていたのではないかと考えるに至りました。

メガソーラー開発計画反対活動を始めたばかりの私達は、これからどれくらい時間とエネルギーをかけなければならないのか分かりませんが、その事始めに、住民運動を遂行するために、何が重要なのか、成功した人たちから「気構え」を学ぶことが肝要だと考えました。柴原さんに初めてお会いした時、私はこんな気持ちだったのです。

果たして、12月15日(日曜日)山添村ふるさとセンターのふれあいホールには、百名以上の人々が集まってくださり、ご講演に耳を傾けました。芦浜の人々の苦労話に目頭を押さえたのは私だけではありません。山添村の私達がこれから強い気持ちを保たなければならないことを自覚したのも私だけではなかったと信じています。

緒に就いたばかりの住民運動は、誠に心細いものです。人々の気持ちは移ろいやすく、様々な誘惑や思惑に晒されます。しかし、大事な馬尻山の環境を守り、どんなに人口が減っても、ここで生きていく私達とその子供達がいる限り、芦浜の人たちが苦労されたことを教訓に努力すると心に誓います。柴原さんをはじめ「原発おことわり三重の会」のみなさま、これからもご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

馬尻山のメガソーラーに反対する会 副代表 野村信介 (奈良県山辺郡山添村)

武田恵生のご講演動画は下記のリンクをご覧ください。

 

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