ここは野村医院のサイトですから、医療情報、院長ブログ、医院の診療方針などを紹介するのが本来の役割です。
しかし、故郷山添村に60歳になって戻ってきた私は、2019年後半に明らかになった馬尻山のメガソーラー開発計画が、あまりにも環境への影響が大きいために、自然豊な故郷の行く末に強く不安を抱いています。
人々の健康にも大きな影響を及ぼす可能性もありますから、医師として無関心ではおれません。
そのような事情から、野村医院のサイトに、馬尻山への想いや、関連する新聞記事や、関連情報を「馬尻山の環境を憂う」というブログ記事としてアップしていくことにしますので、どうかご了承ください。
奈良県下で最大規模のメガソーラー開発に反対
2019年に明らかになった「馬尻山のメガソーラー開発」に、私は一貫して反対の意を表してきました。
開発に直接的な影響を受ける四大字(山添村、大西、春日、広代、菅生地区)の一住民として、「馬尻山のメガソーラーに反対する会」の副代表を結成以来務めています(2020年6月現在)。
もし、仮に太陽光発電が技術的にとても優れていてクリーンエネルギーとして完璧であり、我が国が推し進める脱・原発技術の最右翼の手段だとしても、私は断固反対します。
それは、今回の開発計画は、山添村総面積の1%を完全に破壊してしまう「メガソーラー」だからです。
かけがえのない自然豊かな私達の故郷を、たとえ所有地だからと言って自由に開発することは許されません。その開発によって、住民が失うものが大きすぎる、多すぎます。
少し古い新聞記事(読売新聞2月3日付)ですが、ずさんなメガソーラー事業がひどい災害をもたらしていることは周知の事態となっています。
こんなずさんな工事は論外ですが、
私達は、たとえ、どんなに周到な準備をした開発した事業であっても、馬尻山という山をほとんど完全に破壊してしまう開発によって自然環境が一変してしまうことに強い懸念を抱いているのです。
村の総面積の「1%」です!
想像できますか、その広大さを!
馬尻山は捨てられ忘れられた山なのか?
馬尻山を知る人と話をしていて、ひどくギャップを感じることがあります。
「もう荒れ果てたところ」「ほったらかしになっているところ」という捉え方をしている人がいらっしゃるのです。
特に、昭和の終わりころまで、馬尻山に田畑を有していた人がそのように思うのは、致し方のないことかもしれません。
ゴルフ場開発のために、先祖伝来の田畑を売り飛ばしてしまったのだから。
その後ゴルフ場開発計画は頓挫してしまったので、誰も手を付けないまま今に至っているのです。
しかし、我々は、馬尻山が30年間放棄された「荒れた山林・農地」とは考えていません。
上の動画や下の画像を見てほしいです(馬尻山の山中で、2020年5月某日撮影)。
春の息吹、鳥の声、清らかな湧き水が、馬尻山にはあるのです。
30年間人々が手を付けなかった結果、奇跡的に保存された自然豊かな山林・湿地・楽園と言えるのです。
そのうえ下流域の村々を潤し、自然災害から守ってくれる「緑のダム」としての役目も担っているのです。
5月17日、第一回生物生態調査を敢行
だから、5月17日、専門家の武田恵世先生をお招きして馬尻山の動植物生息調査を行いました。
環境問題、動植物の保護に詳しい武田先生は、環境省希少動植物種保全推進員、三重県公共事業環境検討会委員、三重県環境アドバイザー、伊賀市環境保全市民会議レッドデータブック作成委員会委員長、などを務めておられ多忙極めるが、私達のために貴重な時間を割いて、現地調査を直接指導していただく機会に恵まれました。この場をお借りして武田先生に御礼申し上げます。
私達のこの活動は、奈良新聞にも紹介していただくことになりました。5月31日付の朝刊に5段抜きの記事として紹介してもらいましたので、ここにそのコピーを揚げさせていただきます。
今後、四季を通して、この山の自然と生物生息調査を続けていく予定です。
皆さんにもう一度申し上げたいのです。
馬尻山は、捨てられた山、忘れ去られた農地、計画が頓挫した元ゴルフ場開発予定地ではありません。
馬尻山は、私達が無意識でいた30年間、ずっと、山添村の空気と水を守り続けてくれた山なのです。
こんな馬尻山の機能を保護し、溢れる自然を保護し、これから、ちゃんと利用できるものにしていかなければなりません。
最後に、「運動ニュース」6号を紹介させてください。生息調査から二日後に発行したものです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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