山添村大塩地区で健康講座 ~2年ぶり~

地域の老人会にて、夜間尿とコロナについて講演

令和4年(2022年)4月10日(日曜日)、村内の大塩地区で老人会が開催されました。
毎年春に高齢者の皆さんが集まって、食事をしたり余興を楽しみ親睦を深めていらっしゃったけれど、コロナ禍においては、暫く自粛されていたようです。
今春になって、ようやく流行が下火になり、全国でまん延防止等重点措置が解除されたことを受け、この地区の老人会は春の集会を再開すると決断されました。
山添村には30もの大字(おおあざ、「だいじ」ともいいます)がありますが、その先駆けとなる英断でした。

「もし4月になって状況が許せば、春の老人会を催したい。その時は、健康講座をしてもらえますか?」と、
以前から、老人会の会長さんから、お問い合わせを頂いていたので、私は喜んで引き受けさせてもらいました。
会長さんと相談して、高齢者に興味がありそうな「夜間尿」のことと、コロナのことをテーマにお話しすると計画しました。

2020年(令和2年)に伊賀市で講演して以来、2年ぶりの依頼に私はとても胸を躍らせました。

塵ひとつ落ちていない神社で講演

今回の講演は、八柱神社参籠所でさせていただきました。
どの地区でも、神社(氏神様)の管理は、老人会に任されていることが多いです。
大塩地区の氏神・八柱神社は、普段から手入れが行き届いていますが、この日は、特に掃き清められ、花で飾られて、見違えるようでした。
境内に落ちているのは、散り始めた桜の花びらだけでした。
こういうところに、大塩という大字の「熱さ」を感じるのです。
山添村の30の大字には、それぞれに個性がありますが、大塩は、伝統を重んじていらっしゃるのが良く分かります。

立派な参籠所に入ると、40名以上の方々が、すでにお集まりになっており、熱気を感じました。
参加者の机には、役員さんが小さな花瓶に季節の花々を生けてありました。講師用の机にも。
この地区の人たちの優しさと心意気のようなものを感じて、私も気持ちが高ぶりました。

人前で話をするのは緊張もしますが、実はこういう雰囲気がとても好きなのです。

講演中に、舟を漕ぐ人なし!

いざ、講演を始めようと会場を見渡すと、知っている人がいっぱい。
日頃、聴診器を当てているご年配のご夫婦、、、
いつも怖そうな顔したあの人は、今日も同じお顔、、、
昨年御義母様を看取った奥様も、もう老人会の仲間に入会された、、、
そんなこんなで、一人一人のことを考えながら、1時間以上にわたって、健康講話をさせていただきました。

会長さんと打ち合わせしたように
①「歳をとると、どうして夜に尿の回数が増えるのか?」
その理由と対策を話ししました。
②「コロナウィルスのこれから」
私は感染症の専門家ではありませんが、ウィルスのことだけでなく、遺伝子の突然変異と病気(とくに癌)の仕組みについて、少しでも分かりやすくなるよう努めました。

一番嬉しかったのは、終わるまで、全員が熱心に話を聞いて下さったこと。
昼下がりの時間帯でしたが、だれもうとうとする人はありませんでした。
65歳~85歳まで、世代も興味も異なる人たちに最後まで集中して聞いてもらうのは、なかなか大変です。
今回の講演で、夜中の尿が一回でも減りますように。

講演の最後は、「スベラネーコ」の話題で締めくくりました。
古くから、山添村をはじめとする大和高原には、「お墓ですべってころんだら、猫になる」という言い回しがあります。
私は、その言葉に興味をもっていましたが、嵩じて「スベラネーコ」という猫のキャラクターを作ったのです。
今日の主題ではありませんので、お時間がありましたら、スベラネーコのページをご覧ください。

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最後に
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
山添村では、地域の人たちが、コロナ禍においても少しずつ新しい活動を始めていらっしゃることをお伝えしました。
それに合わせて、私も講演に呼んでいただけました。
山添村で診療している医師にとって、皆様の前で医療や健康の話ができることほど、嬉しいことはありません。
関係者の皆様のご尽力に改めて敬意を表し、また、御礼を申し上げます。

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