野村医院の予約カードは、メッセージカード!
野村医院の予約カードは、葉書大、いえ、カラフルな葉書に手作りで印刷したものです。
もともと、毎月のカレンダーを、とくに年配の患者さんが診療日と休診日を間違うことがないように、診療日に印をつけてお渡ししていました。
ところが、5月から予約制度を採用すると、思いもよらず、予約カードになってしまいました。
そして、7月のカレンダーからは、野村医院のメッセージやお知らせ・提案を書き入れることにしました。
今回はのメッセージは、次の四つです。
①夕方に診療を始めたこと
②往診をさせていただくこと
③終活のすすめ
④待合カフェの予告
一番大事なメッセージは、メッセージ③と④ですが、今日の話題は③『終活のすすめ』です。
山添村は、病院で亡くなる人が意外に多い。
我が国では病院で亡くなる人が、自宅で息を引き取る人よりずっと多いことは良く知られています。
山添村もその例外ではありません。
むしろ、ここでは、認知症や脳卒中の後遺症などの慢性疾患であっても病院や施設に預けてしまうことが、都市部に比べると多いように思います。
年配者ほど、慣れ親しんだ我が家で最期を迎えたいと願っているはずなのですが。
野村医院を引き継いでまだ日が浅いものの、地域で活動する人たちと話したり、患者さんを診察していて、このことが気になっています。
年配者を世話する世代が、村外に勤めに行く共稼ぎだとすると、自宅で最期を迎えさせてやりたくても現実的には厳しい。
そんな家族が多いのも原因の一つですが、また、これには、野村医院にも責任があります。
地域医療に尽くしていた父母が亡くなり、それ以降、当院はなかば休眠状態にありました。
そのため、地域の人たちが、自宅で最期を迎えることをなかなか想定できない時代がずっと続き、病院で息を引き取ることが当たり前のようになってしまいました。
それをすべて私が受けて立つことは困難かもしれませんが、少なくとも野村医院に通院して下さる年配者には、ご家族の意識を確認して自宅で最期を迎えることもひとつの選択肢としてもらいたい、そのためにお役に立ちたいと考えております。
立てなくなった時、歩けなくなった時、施設に入るのか?自宅で過ごしたいのか?
どちらの希望にも沿うことができるように、私はお手伝いさせていただきたいです。
それが、ドクターGのこれからの大事な仕事です。
少なくともこのことを話題に揚げてもらい考える機会を、どのご家族にも持ってもらいたいものです。
付録)ガリ版で印刷したカレンダー
あまり医院の診療に関係ないことですが、実は山添村はガリ版(謄写版)印刷を発明した堀井耕治郎の故郷です。
彼らが活躍した東近江市のガリ版伝承館とも交流が始まっています。
私も、それと並行して、昔懐かしいガリ版を後世に伝えたくて、また、故郷の子供たちにも知ってもらいたくて、機会あるごとにガリ版印刷を利用しています。
実は、今日紹介した予約カードを兼ねたカレンダーを、いつもガリ版で印刷しています。
私は字が下手で他人に見られるのも恥ずかしいくらいなのですが、ガリ版で鉄筆を握るときは、姿勢を正して丁寧に文字を書こうと努力しています。
きっと、紙やペンやインクが貴重な時代には、現代と比べられないくらい当時の人たちは丁寧に字を書いたのでしょう。
だから、上手である前に丁寧に書こうと努めることにしました。
今日は、7月のカレンダーを刷り上げました。メッセージカードの反対面です。
字体も印刷の濃度も、まだまだ安定しませんが、私の気持ちを込めたカレンダー兼予約カードです。
7月の予約を決めたら、その日に印と時刻を記入して、帰宅時にお渡しすることにしております。
どうか皆様、お大事に。