初めての往診雑感

はじめての往診 基本的には看護師が随行します

初めての往診 ~山添村のすばらしさ~

5月某日
野村医院を継承して初めての往診でした。
診療所から約3km離れた菅生(すごう)地区のAさんを訪ねました。

菅生地区は、山添村の中でも特に、勾配のある土地に家を建て急な坂が多い地区のひとつです。
Aさんのご自宅もそんな坂の上にありました。
彼女は、ご家族の世話のおかげで、自宅でゆっくりした時間を過ごしていらっしゃいました。
とくに、お嫁さんの努力には頭が下がりました。彼女なくして、この生活も養生もあり得ない。

往診すると、いろいろなことが見えてくる。

往診に行くと、山添村には「旧家」というべき風格を備えた家、古風なお家、内部をモダンな造りに改装されているお家、まったく新しいお家、など様々です。
どこのお家でも、清潔感溢れるその情景から、上品で穏やかで静かな時間が存在していることが分かります。
片付けも掃除も苦手なうえに、日頃せかせかした生活を送っている私は、うらやましく感じることが多いです。

往診に行くと患者さんやご家族の日頃の風景が、なんとなく感じられ、情報量が一気に増えます。
患者さんのことをもっと知りたいと、常々考えている私には、往診はとても魅力です。

「診察室でいつも訴えていたあの言葉は、そういう意味があったのか~」
「お嫁さんと、思った以上にうまくやってるなあ~」
「意外と、ご主人が奥様の介護には大事なキーパーソンなんだ~」
そんなことに気がつく発見があったりするのです。
それは、次の診療に必ず活かせる大事な情報なのです。

山添村の大杉 注連縄が張られている。

往診の後に、大きな杉の木に遭遇する。

今回の往診では、さらに面白い発見がありました。
その帰途、大きな杉の木を発見したのです。
思わず車を停めて、見上げて眺めてジロジロ〜。

あとで「大井戸の杉」と呼ばれる山添村指定天然記念物であることを知りましたが、
樹齢400年とも言われるこの大杉は、 『屋久島の縄文杉にも負けない山添村の宝物』です。

しめ縄が掛けられているのを見ても、Aさん家族をはじめとする菅生地区の人達が大切にされていることがよく分かりました。
身近にある樹木を神様として、日々の生活の中で崇めてお祈りしながら、お守りする。
こんな素敵な国ってあるでしょうか?
私は柄にもなく柏手を打って、往診したAさんの平安と、野村医院のこれからの往診業務の無事を祈願しました。

追伸:お知らせ

野村医院で、管理栄養士による栄養指導を開始しました。
詳しくは下記のお知らせをご覧ください。

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