名張市立病院腎臓内科外来について

名張市立病院の外観

◆注意◆ 2021年12月 私は名張市立病院腎臓外来業務を閉じました。

下記のブログは、腎臓外来を担当していた2018年5月に初掲載し、2020年7月に一部加筆したものです。
すでに、別項で報告しましたように、担当を外れておりますが、
自分の腎臓病に対する姿勢を表わす内容なので、このまま掲載を続けることをお許しください。

戦友がCome Back!

当初、このブログ記事を書いた2018年5月、私は下記のように綴りました。
しかし、なんと、今年(2020年)4月から、再び西川晃平先生が市立病院泌尿器科に非常勤として派遣され、外来を担当されるようになりました。
コロナ禍で大学病院での腎移植診療も多忙を極めていらっしゃいますが、これから、週一回(毎週月曜日)の泌尿器科外来を続けてくださるので、私としては喜ばしい限りです。

 戦友の異動に衝撃

  名張市立病院の泌尿器科外来を勤めてくださった西川晃平先生が、異動されてしまいました。
  私も彼も、三重大学医学部付属病院から非常勤医師として派遣され、長年、外来診療を一緒にやってきました。
  齢は離れていたけれど、泌尿器科医と腎臓内科医として付属病院でも名張市立病院でも話す機会が多く頼りにしている存在だっただけに、市立病院に彼が来ないと思うと、寂しいものがあります。
  西川先生は、大学病院での腎移植の仕事がますます忙しくなっているようなので、今後の活躍を祈念申し上げます。

名張市立病院で腎臓内科外来を始めた頃

私は、2020年(令和2年)7月現在、いまも木曜日の名張市立病院腎臓内科外来を続けています。
この仕事は、もう20年になります。
非常勤医師ながら、名張市立病院で最も古くから勤務している医師の一人になってしまいました。
皆さんは、開業医が他の病院の外来をしていることを驚かれるかもしれないので、その事情も含めて私と名張市立病院の関係を今日は書かせていただきます。

国立大学医学部付属病院に勤務する医師には、本業に影響しない範囲で、他の医療施設での非常勤として一定時間の勤務が、大学病院を所轄する文部科学省から認められています。
業界用語で、この仕事は「アルバイト」とか「ネーベン」と呼ばれています。
(三重県内のほとんどの病院は、自前の医師だけでは病院機能を全うできないので、非常勤医師を大学病院から受け入れて、診療体制の充実を図っています)
三重大学に赴任した平成12年ころ、三重大学医学部付属病院では、腎臓内科を作る機運が盛り上がっていました。
私もその輪に参加させていただき、併行して名張市立病院にも腎臓外来を作るよう計画しました。

名張市立病院は、市民の大きな期待を寄せて平成9年に発足したばかりの病院でしたが、腎臓内科外来はまだありませんでした。
新しいうえに、幼い頃から親しみのある名張市の病院で腎臓内科外来をスタートすることは、大学病院に腎臓内科を創るのと同じくらい大きな喜びでした。
当初は閑散とした腎臓内科外来も、次第に地域の先生方に認知していただき、名張市内はもちろん、伊賀市、青山町(現・伊賀市)、美杉村(現・津市)、宇陀や山辺郡など奈良県の患者さんも紹介していただくようになりました。
必要に応じて三重大学医学部付属病院に入院していただき、その後の治療を市立病院で継続している患者さんも少なくありません。

名張市立病院の腎臓内科外来の現在とこれから

名張市立病院に限らず、多くの基幹病院では、常勤医師でさえ、赴任しては、短い間にまた異動していきます。
市民の皆さんも、「どうして?」と怪訝に思われることでしょう。
「入院中にお世話になり退院後も診てくださっていたのに、、、」
「新しい先生は私のこと、分かってくれるだろうか?、、、」
「やっと新しい先生に慣れたと思っていたのに、もう異動?、、、」

三重大学医学部に在職中、ついに私は名張市立病院に常勤医師による腎臓内科を作ることができませんでしたが、その代わり、自分が出来る限り患者さんの診療を続けよう、そうしなければならないと意気込みました。
だって、腎臓の病気は長いのですから。
数えたことはありませんが、そんなこんなで、この20年間に診せていただいた腎臓病患者さんは、どれくらいに上るでしょう?

20年間に、概ね1,000回の外来をしたことになります。
仮に、一回の診療に25人患者さんを診療したとすると、のべ25,000人となります。
常勤(本職)だった大学病院や鈴鹿回生病院で担当した患者さんの数と、遜色ありません。
そのうえ、私が目指していたように、10年以上にわたって今も通院してくださっている患者さんもたくさんいらっしゃいます。

このような心意気で始め、手塩にかけて築いてきた腎臓内科外来でしたが、6年前に大学病院から鈴鹿回生病院に異動し、さらに2年前から野村医院を継承したために、現在は、第一・第三・第五木曜日に限って名張市立病院腎臓内科外来をさせていただいております。
私の穴を埋めるべく、2018年春から、三重大学医学部付属病病院腎臓内科から鈴木康夫先生が、毎週月曜日に腎臓内科外来を始めてくださっています。
腎臓内科への新しい紹介患者さんは、基本的には鈴木先生が担当してくださいます。
私は、隔週でしか診療しないので、自分が従来担当した患者さんのみ担当する立場です。

この20年もの間、市立病院でたくさんの人たちにお世話になりました。
歴代名張市立病院長、小坂義種先生、山門徹先生、竹内謙二先生、伊藤宏雄先生、そして、現藤井英太郎院長。
三重大学医学部循環器・腎臓内科教授(旧第一内科)の中野赳元教授、伊藤正明前教授、土肥薫現教授、そして、県内の多くの腎臓医たち。
名張市立病院腎臓内科外来を維持するために、日々協力を惜しまない事務局の人たち、看護師さんたち、技師さんや栄養士さんたちをはじめとする病院のスタッフや関係者の皆様。
この場をお借りして御礼を申し上げます。本当にありがとうございます。
これからも腎臓外来に通院されている患者さんに不自由をかけることがないように、どうか今後ともご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

名張市立病院の腎臓内科外来の受診方法

冒頭で説明しましたように、私の名張市立病院腎臓内科外来は、すでに存在しませんが、腎臓専門医の診療は受けることが可能です。
かかりつけ医から紹介状を発行してもらい、名張市立病院腎臓内科外来の診療を予約してもらってください。
2022年1月現在、齋木良介先生が担当してくださっております(毎週月火曜日午前)。

もし、紹介状がない場合や、相談されたいことがありましたら、野村医院までご連絡ください。
(☎0743-85-0439、メール letter@nomuraclinic.pro)。
連絡をお待ちしております。

院長プロフィール
腎臓内科

関連記事

  1. IgA腎症を克服した野球選手の物語

  2. 医療の功罪 ある痛風患者さんに接して。

  3. 透析医療の功罪② 再生医療が実現したら?

  4. 奈良県立医科大学に腎臓内科学教室創設

  5. a-journal-for-patient-with-end-stage-renal-disease-treated-with-hemodyalysis

    透析患者さんの雑誌「腎不全を生きる」と日本腎臓財団の活動

  6. 腎臓は鍛えられるのか

    腎臓は鍛えられるのか?

最近の記事 おすすめ記事
  1. 登録されている記事はございません。