腎臓内科

蛋白尿と血尿

蛋白尿と血尿

蛋白尿

蛋白尿は、体の中の大切な蛋白質が尿に漏れ出ている状態であり、腎臓の最も大事な働きを司っている糸球体という構造に何らかの病気が存在することを示唆する兆候です。よほど大量でない限り、漏れていることを自分で感じることはありませんので、検尿しない限り発見されません。

主に、尿に蛋白が混じる三つの原因があります。
①腎臓独自の病気がある場合(糸球体腎炎や尿細管間質性腎炎など)
②糖尿病や高血圧などによって全身の血管に負担がかかっている場合
この二つを区別するのは困難なことがあります。どちらの場合においても、将来進行して腎機能を低下すると危惧されるときは、詳しい検査のために専門施設に紹介することがあります。
③運動や発熱、姿勢などが蛋白尿の原因で、病気ではない場合(特に若年者に多い現象です)

症状がないから、ついつい軽視しがちですが、腎臓の病気や負担を早期に発見するためにとても有効な検査です。また、治療効果を判定するためにも腎臓内科医にとっては蛋白尿の軽重は最も大事な所見です。

血尿

尿に血が混じっている状態です。目に見えない血尿は、顕微鏡で見ないと分からないので「顕微鏡的血尿」といいます。目に見えるくらい血が混じっている状態は、「肉眼血尿」といいます。

蛋白尿は糸球体の病気を示唆しますが(上記参照)、血尿は腎臓~尿管(腎臓と膀胱を繋ぐ管)~膀胱~尿道のいずれの病気でも起こり得ます。上記の蛋白尿と血尿が同時に起こっている場合は、腎臓独自の病気、つまり、腎臓内科が担当する病状ですが、血尿単独の場合は、泌尿器科が担当する病気が多くなります。たとえば、結石や癌などです。とくに、中高年者で今年の検診で初めて指摘されたような血尿は、尿管や膀胱の癌を念頭に調べる必要があります。一方、生涯にわたって顕微鏡的血尿がずっと続く体質の人もあります。

血尿の原因を、さまざまな角度から検査して原因を調べさせていただきます。